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月経困難症とは、生理(月経)の際に生じる症状が日常生活に影響をきたし、治療が必要な病態を言います。一般的に生理痛と呼ばれる下腹部痛や腰痛が非常に強く、頭痛・おなかの張り・吐き気・イライラ・憂うつなどの症状を伴うこともあります。
器質性月経困難症:子宮内膜症、子宮腺筋症、子宮筋腫などの基礎疾患が原因の月経困難症のことです。
機能性月経困難症:基礎疾患がないのに生理痛が強く、多くの月経困難症がこれにあたります。プロスタグランジンという物質が子宮を収縮させ、冷えやストレスなどが関連していることがあります。
検査としては、超音波検査やMRI検査などの画像検査や採血検査で基礎疾患を調べます。通常、超音波検査は経腟的に行いますが、性交渉の経験のない方には経腹的や経直腸的に行います。
基礎疾患の有無に関わらず、痛みに対しては鎮痛薬を使用します。鎮痛薬はプロスタグランジンの産生を抑えて痛みを取りますが、痛みが出る前に使用する方が効果的です。ホルモン療法(低用量ピルや経口黄体ホルモン・卵胞ホルモン混合月経困難症治療薬)や漢方薬を使用することもありますが、基礎疾患やライフステージに合わせて黄体ホルモン療法(内服または子宮内システム)や女性ホルモンを下げる薬物療法なども検討します。