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更年期障害の治療

全ての治療に関して共通ですが、生活習慣を整えることが重要です。ストレスを避けるために、アルコール、カフェイン、喫煙などを避けて、適度な運動をすることが望ましいです。また温度調節のしやすい服装を心がけたほうが良いでしょう。周りの方に話を聞いてもらうだけでもストレスは減りますし、実際に同世代の方に相談してみると、いろいろな方々が様々な症状をお持ちなこともあり、自分だけではないと肩の力が抜けて気持ちが楽になることもあります。

 

・ホルモン補充療法(HRT)

エストロゲン・黄体ホルモン周期的併用療法:主に閉経前後の方

エストロゲン・黄体ホルモン持続的併用療法:主に閉経後数年経過した方

エストロゲン単独療法:子宮を摘出した方

 

治療開始初期に不正出血や乳房・腹部のはりなどを感じることがありますが、しばらくすると落ち着いてきます。エストロゲン単独では子宮体がんの発症率が上がりますが、黄体ホルモンを併用することで発症率は上昇しません。乳がんについては、5年以上ホルモン療法を続けると発症率が少し上昇するが、死亡率は変わらないとされています。何れにしても治療の有無にかかわらず、子宮がん(頸がん・体がん)と乳がんの検診は年に一度受診されることをお勧めします。また脳血管疾患や心血管疾患などのご病気の方は使用できません。

 

  • 漢方薬

患者さんの体質・体格や症状に合わせて処方します。一般的に漢方薬は西洋薬に比べて、効果が出るまでに時間がかかるとされています。それは西洋薬のようにピンポイントに治療をするというより、漢方薬は体質改善しつつ治療をするためです。漢方薬には様々な種類があり、実際には一つの漢方薬を内服してもなかなか改善しないこともあり、しばらく(数ヶ月)内服しても効果がなければ別の漢方薬に変更するといったことも少なくありません。

副作用が少なく、安全性が高いと思われている漢方薬ですが、いくつかの副作用もあります。漢方薬の約7割に甘草という生薬が含まれており、服用して約2-3週間後にむくみや血圧上昇など(偽アルドステロン症)が起きることも報告されています。また一部の漢方薬(小柴胡湯など)には、間質性肺炎といった副作用も報告されており、安全性が高いと思われている漢方薬でも服用開始してから体調の異常を感じたらご相談ください。

 

  • 抗うつ薬

前述の精神神経系症状の中でも、抑うつ気分、不安感、焦燥感が強い場合でHRTや漢方薬の効果がない場合には、抗うつ薬や抗不安薬を検討することもあります。

 

  • 食事療法・補助食品

更年期は高血圧や糖尿病などの生活習慣病にかかりやすい時期でもあり、またコレステロールの上昇や骨粗鬆症などを予防するためにも一度食生活を見直してみることをお勧めします。

一言で言ってしまえば「バランスの良い食事」となってしまいますが、大豆製品の摂取をお勧めします。また、一品追加することに意識してしまうと、ついついカロリーや塩分を取りすぎてしまう可能性もあるのでご注意ください。大豆に含まれる大豆イソフラボンの一部が腸内細菌によってエクオールという成分になり、そのエクオールが女性ホルモン(エストロゲン)様作用を持っていると言われています。しかし腸内細菌には個人差があり、残念ながらイソフラボンからエクオールを産生できる腸内細菌を持っている方は、日本では約50%と言われています。そこで腸内細菌にかかわらず経口摂取できるエクオール製剤を院内にて取り扱っておりますので、ご希望の方は医師に相談してください。

 

  • プラセンタ注射(現在中止させていただいております)

現在更年期障害に対して、人胎盤(プラセンタ)由来製剤が保険診療として使用されております。当院にても連日または隔日で、保険診療の範疇として使用しております。重要なのは、人の胎盤を原料としているため、検査や滅菌を実施していてもウイルス・細菌・変異型クロイツフェルト・ヤコブ病など感染の可能性は完全に否定はできません。副作用として、アレルギーや注射部位の疼痛の可能性などがあります。また感染症の観点から、原則的に投与後は献血ができなくなることや臓器提供ができなくなることに留意してください。

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